相手に伝わる文章の書き方
文章を分かりやすく、簡潔に書きたい。そんなふうに考えたことはありませんか?
- 相手に「何が言いたいの?」と言われる
- 何を言いたいのか、自分でも分からなくなってしまう
- 書くのに時間がかかってしまう
どうしたら相手に伝わる文章が書けるのでしょうか?
それは、書くための準備とプロセスが重要です。
- キーメッセージを定める
- 伝えたいことを発散させる
- 文章を書く
具体的な手順と重要なポイントをご紹介します。
- 文章の書き方がわかる
- 文章を書くプロセスがわかる
キーメッセージを定める
文章を書くうえで、最も重要なことは「自分が相手に何を伝えたいか?」を定めることです。
- この文章を書く目的は何なのか?
- 相手にどんな行動を取って欲しいのか?
を考えて、キーメッセージを決めます。
キーメッセージは現状とあるべき姿のギャップ
キーメッセージを定める際に有効な考え方は、「キーメッセージは現状とあるべき姿のギャップ」であるということです。
簡単な例で考えてみましょう。
「家族にカレーで使用する材料を買ってきてとお願いしたい」
現状とあるべき姿はどうなるでしょうか。
あるべき姿(To Be) | カレーが作れて食べれる | |
---|---|---|
ギャップ | (何が言いたいか?) | キーメッセージカレーで使用する食材を買ってきて欲しい! |
相手に期待する反応 | カレーで使用する材料を買ってくるよ! | |
残したい印象 | 食材が無くて困っている、助けて! | |
現状(AsIs) | カレーを作りたいのに、家に使用する食材が無い 他の料理も作っているので買いに行けない |
- キーメッセージは、「食材を買ってきて欲しい」
- ギャップは、カレーを作りたいけど、食材が無いから困っている
- だから「買ってきて」という行動を依頼している
このようにキーメッセージは、現状とあるべき姿のギャップから生じます。
伝えたい相手の解像度を高める
状況や自分の主張がはっきりしたら、伝える相手のことを考えましょう。
- 読み手は誰か?
- 読み手はどのような立場にいるか?
- 読み手はどんなテーマについて、どんな前提知識、情報を持っているか?
- 読み手はどのような問題意識を持っているか?
- 読み手が好む表現は?/読み手と書き手の距離感は?
例えば、会社の同僚と役員では持っている情報や問題意識は異なります。
会社全体の経営のことなのか、現場の特定の業務のことなのか。伝える相手の解像度を高めることで、独りよがりの文章を避けられます。
読み手の疑問を明らかにする「OPQ分析」
「問題解決」を目的に特化した文章を作成する場合には、「OPQ分析」も有効です。
よりシンプルに考えたい場合には、OPQ分析を活用するのもよいでしょう。
- O:Objective(望ましい状況)
- P:Problem(問題→現状と望ましい状況とのギャップ)
- Q:Question(読み手の疑問)
- A:Answer(答え・文書のキーメッセージ)
伝えたいことを発散→収束させる
キーメッセージを定められたら、そのメッセージに関連する頭の中にある情報を発散→収束させます。
発散
なぜ発散させるのでしょうか?
それは最初から文章を書こうとすると、抜け漏れが起こるからです。頭に浮かんだことを発散的に書いていくことで、自分が何を考えているかが見えてきます。
- 頭に浮かんだことを、とにかくそのまま書き出す
- 文章や箇条書きで、自由な形式で書く
- 考えを吐き出して、鳥の目で客観的に見ることが大事
個人的におすすめしているツールが
- マインドマップ
- アウトライナー
- 紙に書く
です。私はマインドマップで構造化して考えたり、紙にたくさん書くのが大好きです。
収束
沢山頭に浮かんでいることが出尽くしたら、発散させた内容をグルーピングしていきます。
- ようするに?
- 具体的には?
で思考を深め、まとめていきましょう。
アウトラインをつくる
ここまでで材料が揃いました。次に文章の骨格(アウトライン)を作っていきましょう。
何を・どのような順番で伝えるのか、ストーリーを組み立てます。
頻出のアウトラインテンプレート
よくあるアウトラインをご紹介します。自分が伝えたいことに沿って考えてみましょう。
- 報告型(簡潔に報告したいとき)
- 要求型(相手に何かを求めるとき)
- 汎用型(相手に自分の考えを伝えたいとき)
文章を書く
ここまできてようやく文章を書きます。といっても焦りは禁物。
下書きを作成しましょう。
下書きを書く
なぜ下書きを書くのでしょうか?
それは最初から完璧な文章は書けないからです。いきなりキレイな文章を書こうとすると手が止まってしまった経験はありませんか?
最初から完璧を目指すと、どうしても手が止まってしまいます。しかし、書き直す前提であれば流れるように書けるはずです。後で修正すればいいんですから。
まずは書いてしまいましょう。
推敲する
下書きを見ながら文章を書きましょう。
- もっと良い表現はないか?
- ここは不要かな?
などと文章を磨き上げましょう。ここまで入念に準備しているので、実際に書いている時間はあっという間だと思います。
リライトする
文章は一晩寝かすと熟成されるらしいです。
例えば夜書いた文章を次の日の朝に見ると、何でこんな文章を書いたのだろうか…となるほどに拙く感じるときがありますね。
間を空けて、定期的にリライトすることも大事です。
まとめ
- いきなり文章は書かない
- 最初に誰に・何を伝えたいのか定めるのが最も重要
- 大事なのは、自分が伝えたいことを伝え、相手に行動してもらうこと
- 繰り返し訓練することで、磨かれていく
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