【考えを文章にする】グループ化と要約メッセージのつくりかた
考えを文章にするためには、自分が何を伝えたいか、メッセージの全体像、すなわちメッセージの構造を明らかにする必要があります。
今回は、メッセージの構造化に必須の「メッセージのグループ化・要約メッセージ」についてご紹介いたします。
- メッセージを要約・グループ化する方法が分かる
- メッセージを文章にする際の注意すべきポイントが分かる
グループ化と要約メッセージ
考えを組み立てるプロセスには2種類あります。
- 複数のメッセージをグループ化して、要約メッセージを探すこと
- 一つのメッセージから、複数メッセージのグループを作ること
グループ化して、要約メッセージを探す
要約メッセージとは、複数のメッセージを一つのグループにくくり、そのグループを象徴する一つのメッセージ(要約メッセージ)を見つけ出す事をいいます。
メッセージに従って、グループを作る
一つのメッセージについて、その根拠や説明となるメッセージのグループをつくりだすことです。
2つの作業を繰り返し行い、論理構造が曖昧かどうかを確認します。
グループ化と要約メッセージの例
何パターンか例を見てみましょう。
球技
- バスケットボール
- サッカー
- バレーボール
だとすると要約メッセージは「集団で競う球技」とかになりますね。
ダイエット
- 少しの運動で、息が上がるようになった
- 着れなくなった服がある
- 健康診断に引っかかった
のような場合は「ダイエットをするべきだ」などの提案や、「体重が増えた可能性が高い」の要約メッセージが見えてきそうです。
メッセージが一般論にならないように注意
要約メッセージとは、グループ化した根拠や共通する「特定の意味」を抽出することです。
具体的なエッセンスを抽出しようとしているのに、広い意味・抽象的な言葉を選ばないように気をつけましょう!
- スシロー
- くら寿司
- かっぱ寿司
この3つの要約メッセージを「飲食店」としたらおかしいと感じませんか?
「回転寿司」としたほうが、より近いと感じると思います。
要約メッセージを文章にする時の4つの鉄則
名詞表現、体言止めは使わない
メッセージを名詞表現や体言止めを用いると、メッセージとして何が言いたいのか分からなくなります。例えば
- 少しの運動で、息が上がるようになった
- 着れなくなった服がある
- 健康診断に引っかかった
のようなメッセージで
悪い例:「体重の変化」
としてしまうと、体重がどうなったのか?結局何が言いたいのか分からなくなります。
良い例:「体重が増加している」
「体重が増加している」とすれば、状態が変化した事が分かりますね。一方で「体重の変化」だけでは増えたのか・減ったのか分かりません。
「抽象的な言葉」は使わない
抽象的や曖昧な言葉とは、具体的ではなく解釈の範囲が広い言葉を言います。
よく使われる言葉としては
- DX(デジタルトランスフォーメーション)
- 見直し
- 再構築
などビジネスでよく使われていそうな言葉でもありますね。
- 悪い例:マーケティング活動を見直す
- 良い例:WEBサイトからお客様のお問合せ件数が減少した原因を見つける
メッセージは一つの文章で表現する
要約メッセージは、一つの文章で表現します。
もし文章が2つあるようなら、要約メッセージが要約しきれていないということになります。
「しりてが」接続詞は使わない
メッセージを表現する際には「一つの主語と、一つの述語」で構成される単文表現が理想的です。
なぜなら、2つ以上の文章では、メッセージが複数になりやすいからです。
特に「しりてが接続詞」には要注意です。
- 「……し、……」
- 「……であり、……」
- 「……して、……」
- 「……だが、……」
- 「……せず、……」
- 「……なく、……」
しりてが接続詞の変わりに、ロジカル接続詞を用いるのが理想的です!
So What?/Why So? で思考を深める
- So What?(だから何?・それで何が言いたいの?)
- Why So?(それはなぜ?)
は要約メッセージや文章のつながりを具体化するベストツールです。
So What?で要約メッセージを具体化し、Why So?でメッセージの因果関係を確認します。
この作業を繰り返し行うことで、本当に言いたい具体的なことや、適切な根拠や説明のつながりを見いだせます。
So What?でさらに要約メッセージを磨き上げる
要約メッセージを磨き上げる際にも「So What?」は有効です。
要約メッセージが、「体重が増えた」だとします。
ただ、これだと何をどうすればよいか分かりません。これをSo What?で深めてみましょう。
具体的な行動まで落としこめました。最終形は下図になります。
まとめ
- 要約メッセージは、複数メッセージのエッセンスを抽出すること
- 要約メッセージは一般論にならないように
- 名詞表現、体言止めは使わない
- 曖昧な言葉は使わず、一つの言葉で表現する
- しりてが接続詞はつかわない
- So What? / Why So? でメッセージのつながりを意識する
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