【思考を構造化】MECE(ミーシー)で「もれ・ダブり」をなくし課題を見つける技術

ビジネスの議論や資料作成の場で、「それ、MECEじゃないよね」という言葉を聞いたことはありませんか?
MECE(ミーシー)とは、「もれなく、ダブりなく」という意味のロジカルシンキングの基本となる概念です。しかし、単に「漏れとダブりをなくす」ことだけが目的ではありません。
MECEの本質は、物事の全体像を正確に把握し、問題の本質を見つけるための「思考の武器」として活用することにあります。
この記事では、MECEの基礎知識から、ビジネスで本当に役立つ具体的な活用例、そして注意点までをわかりやすくご紹介します。
- 議論や資料作成で「抜け漏れが多い」と指摘される人
- 複雑な物事を整理・分析する思考法を身につけたい人
- MECEを学んだが、どのように活用すれば良いかわからない人
MECE(ミーシー)とは?
MECE(ミーシー)とは、以下の4つの単語の頭文字をとった言葉で、「もれなく、ダブりなく」という意味を指します。
- 「Mutually(相互に)」
- 「Exclusive(排他的な)」
- 「Collectively(集合に)」
- 「Exhaustive(包括的な)」
これは、物事や情報を整理・分解する際に、全体を構成する要素を重複させず、かつ全てを網羅している状態を表します。
- 性別で分ける: 男性と女性(もれもダブりもない)
- 年齢層で分ける: 0-10代、20代、30代…(境界線を明確にすればMECEとなる)
- 地理で分ける: 都道府県(日本の全てを網羅し、重複しない)
このMECEという考え方は、問題解決や戦略立案に欠かせない、すべてのフレームワークの基礎となります。
「もれ・ダブり」がなぜ問題なのか?

なぜ、私たちはMECEな状態を目指す必要があるのでしょうか?
それは、MECEではない「もれ」や「ダブり」があると、物事の全体像の把握が困難になり、誤った判断や非効率な行動につながるからです。
具体例で見てみましょう。
【NG例1】抜けもれがある場合
<状況> スキンケア商品を販売しており、ターゲットを「20代女性」に絞っている。売り上げを増やすにはどうしたらよいか。
- 抜けもれの問題
-
スキンケア商品を使用しているのは20代女性だけではありません。男性客、50代以上の世代など、考慮すべき客層が抜け落ちています。
- 結果
-
抜け落ちた客層へのアプローチを検討できず、市場の全体を捉えた最適な戦略を見失います。
【NG例2】重なり(ダブり)がある場合
<状況> 飲食店を経営しているが、男性客しか来ない。これからは女性客を増やしたい。また若者をどう呼び込むか。
- ダブりの問題
-
「女性客」と「若者」という切り口に、「女性の若者」という重複する客層が存在します。
- 結果
-
施策を打つ際、女性の若者層への施策が重複したり、効果測定が複雑になったりして、リソースのムダにつながります。
このように、抜け漏れやダブりがあると、全体像が歪み、リソース配分のミスや課題の見落としを引き起こします。MECEで整理することで、初めて問題の全体をフラットに捉えることができるのです。
注意点:意味のある切り口で分解すること

MECEは「もれなく、ダブりがない」状態を指しますが、単に分類できれば良いわけではありません。
最も重要なのは、「なぜその切り口なのか?」という意図を持ち、課題解決に役立つ「意味のある切り口」で分解することです。
例えば、飲食店で売上増を考える際、「社員の血液型」や「店内の観葉植物の種類」で分けても、売上増加という目的達成には役立ちません。
- 目的に直結しているか?(例:売上増なら「客層」「単価」「頻度」で分ける)
- 具体的な行動につながるか?(例:客層を「新規」「リピート」に分けることで、広告やCRMといった具体的な行動につながる)
MECEな切り口で分解した結果、「どのような仮説が生まれ、どのような行動につながるのか」という目的まで踏み込んで考えることで、MECEが強力な武器となります。
まとめ
MECEは、ロジカルシンキングの土台であり、複雑なビジネス課題を単純化し、本質を見抜くための技術です。
- MECEとは、「もれがなく、ダブりがないこと」を意味する。
- MECEを使う理由は、全体像を正確に把握し、リソースのムダや課題の見落としを防ぐため。
- MECEで切り分ける時は、課題解決に役立つ「意味のある切り口」を意識する。
この思考の技術を身につけることで、あなたの議論や資料作成の説得力は格段に向上するはずです。ぜひ日々の思考や情報整理に活かしてみてください。

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