【読書ノート#32】マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ(西口 一希)
基本情報
本のタイトル | マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ |
本の評価 | |
著者 | 西口 一希 |
出版社 | 日本実業出版社 |
発売日 | 2023/2/17 |
どんな本?
- マーケティングとは何か?ということを教えてくれる本
- 色々な手法があるけれど、本当に考えなくてはならない本質を分かりやすく教えてくれる
どんな人におすすめ?
- 4Pや3Cなどのフレームワークを学んだけれど、結局どうすればいいかわからない人
- 色々な手法があるけれど、何をすればいいか、どんな行動を起こせばよいかわからない人
本を読む前、読んだ後の問いと今後の行動
本を読む前の問い
何を学びたいのか?
- 手法ではなく、マーケティングの本質的な考え方を分かりやすい表現で知りたい。
それを学んで自分はどうなりたいのか?
- 仕事でどのようにマーケティング活動をすすめていくか、意見を伝える際に学んだことを取り入れたい。
どのような成果、結果が欲しいのか?(ゴール・目標)
- 仕事のマーケティング活動で、どのような目的で誰に何をどのような方法で行うか決めたい
本を読んだ後の問い
この本の問題提起は何か?
- マーケティングとは「顧客」に向けて「価値」を「創造」することである。
問題的に対する解決策は何か?
- 大事なことは、「どんなお客様(WHO)」に「どんなプロダクト(WHAT)」を届けて価値を作るのかという【WhoとWhatの組み合わせ】
著者が伝えたいことを3つに絞ると何か?
- 価値とは、「便益」と「独自性」の両方を併せ持つものである
- 最新のスキルも時が経てば最新では無くなる
- お客様を理解するために、まずは「たった1人の実際のお客様」を理解することから始める
本を振り返って、面白かった箇所はどこか(へぇーって思ったこと)
- 自分のキャリアを「価値」と「お客様」という観点で考える
確かに自分自身の価値(あくまで仕事で)も便益と独自性という観点で考えられる。
誰に、どんな価値を提供するか。それは組織のなかでどれだけ有用なのか。もし、今いる場所で難しければ価値を見出してくれる場所に移動する。そんな考え方をしたい。
今後の行動
具体的なアクション
- 仕事も個人も、便益と独自性と言う観点で考える
- Howによっていたら、目的は何か?誰に何を届けたいのかを考える
読書メモ
マーケティングとは
マーケティングとは、個人や集団が製品及び価値の想像と交換を通じて、そのニーズとウォンツを満たす社会的・管理的プロセスである。
マーケティングの父 – フィリップ・コトラー
4Pの中には「消費者」がいる(Customer)
- Product – どんな商品にするか
- Place – どこで売るか、どう売るか
- Promotion – PR、広告
- Price – 価格をいくらにするか
一般的なマーケティング・プロセス
- 調査・分析
- 3C分析
- SWOT分析
- ファイブフォース分析
- バリューチェーン分析
- PEST分析
- 市場調査
- 競合分析
- 分動データ分析
- STP(戦略)
- Segmentation – 市場の細分化
- Targeting- どの市場を狙うか
- Positioning – 自社の立ち位置
- 4P(戦術)
- Product
- Promotion
- Place
- Price
- 実行・管理
- 目標、KGI・KPI
- PL(損益計算書)・BS(貸借対照表)
- LTV(ライフタイムバリュー)
- 投資対効果
- キャッシュフロー
④からまた①に戻る。
結局マーケティングとは何なのか?
マーケティングとは「顧客」に向けて「価値」を「創造」することである。
お客様のニーズを洞察し、お客様が価値を見出すプロダクトを生み出すこと。さらに、その価値を高め続けて継続的な収益を生み出し、その収益を再投資して新たな価値を作り続けること。
大事なことは、「どんなお客様(WHO)」に「どんなプロダクト(WHAT)」を届けて価値を作るのかという
【WhoとWhatの組み合わせ】
価値は「便益」と「独自性」で定義できる
価値とは、「便益」と「独自性」の両方を併せ持つものである。
お客様がプロダクトに価値を見出す
価値=WHOとWHATの組み合わせ
お客様の数を増やす3つのフェーズ
新規事業や新商品の立ち上げ、スタートアップ期
大規模投資前の収益性の確立期
大規模投資による、規模の最大化期
マーケティングでやるべきことは究極的には2つ
- 新規のお客様の数を拡大し、独自に離反を最小化
- お客様の継続購買を促すこと
- そのための継続的な便益と独自性の提案と価値づくり
マーケティング戦略地図
- どんな価値を広げたいか
- 既存:お客様が見出している便益と独自性は何か?
- そのお客様の特徴は何か?
- WhoとWhatを定義できたら「そのWhoと同様の特徴やニーズをもつ潜在顧客がどこにいるのか?」「どこで接触できるのか」を考える
- 様々な表現を使って、価値を見出すWhatを考える
- Howを駆使して「WhoとWhatを実現していく」
- ②~③へのHowのコスト効率が重要
- BtoB
- リード獲得、ナーチャリング(見込みをお客様にする)
印象に残った言葉や表現
最新のスキルも時が経てば最新では無くなる
方法論や手法が増え続けている。
しかし、それだけに目を向けると、現在地が分からなくなり何から手を付けてよいか分からなくなる。方法論や手法などの「HOW」は時代とともに不要になってしまう。
お客様が見えなければ、プロダクトの価値は存在しないのと同じ
- 価値を見出しているのが、どんな(WHO)お客様で
- なぜ価値を見出しているのか
ということを探る
商品が売れない理由は2つ考えられる
- 価値を作り得る便益と独自性を、それを必要とするお客様に伝えきれていない
- 自分たちが信じている便益と独自性に、お客様が価値を見出していない
お客様を理解するために、まずは「たった1人の実際のお客様」を理解することから始める
アクセス解析や行動履歴などのデータ分析では不十分。
なぜなら、お客様自身の購買行動の裏にある深い心理に気づいていないことも多いから。
具体的なお客様の理解=N1分析
1人のお客様に対して
- その商品を知ったきっかけ
- その際に、どう感じたのか
- なぜ、その商品を買ったのか
- なぜ、購読を続けているのか
を掘り下げていく【N1分析】を行うことで、深層心理を理解する。
ツール(How)ではなく、お客様(Who)を捉える
「今、どのツールが重要なのか」といくら考えても、効果的なツールは変わっていく。
ツールを追いかけるのではなく、自分が勝ちを届けたいお客様によって、どういうメディアやツールが効果的か自ずと決まってくる。
10→1000にするには
どんな人にどんな独自性を提案するか(WhoとWhat)という組み合わせを考えたら、それを実現する方法(How)を考え、さらに複数の「WhoとWhatの価値関係」の組み合わせから投資効率の高いものを選んで集中させる。
マーケティングの樹海を必要なものだけに
マーケティングの手段や手法(How)は、WhoとWhatの実現、そしてマーケティングプロセスのどこかに紐づく。Howには必ず目的があり、その目的は必ず特定のWhoとWhatに結びつく。
自分のキャリアを「価値」と「お客様」という観点で考える
- 社会で働くというのは、誰かに対してプラスになるような便益を提供し続けること
- 便益が弱いと感じたら、自分が提供できる便益を見つけ磨く必要がある
- 自分は何らかの価値を提供できているだろうか?
- 誰かに「助かる」「うれしい」「ありがたい」と思われているだろうか?
- 他の人には提供できないものを生み出しているだろうか?
誰をお客様として、どんな便益と独自性を生み出せばいいか?
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